ＢＣＧワクチンは新型コロナに効くのか？｜ブログ｜習志野台の内科・小児科・皮膚科・アレルギー科

「BCGワクチンは新型コロナ感染に効くのか？」

ＢＣＧワクチンは１歳までに結核にかかると重症になるのでそれを防ぐために開発された

ワクチンです。日本やアジアでは多く接種されていますが、元々結核が少ない欧米では

接種する国は少ないです。

小さいときに接種するのが重要で、１歳を超えてから接種しても結核を減らす効果は

証明されておりません。

元々結核菌への予防ですので、ウィルスである新型コロナの予防とは全く異なるので

理論上は効果があるわけないのですが、ヨーロッパの一部の医学者が「ＢＣＧが新型コロナにも

効果があるのでは？」という研究を始めたことが知られて世間で

ＢＣＧが効く！なんていう情報が独り歩きしてしまっております。

ＢＣＧを接種している国（日本や中国、韓国、シンガポールなど）で

接種していない国（スペイン、アメリカ、フランス、イギリスなど）より

新型コロナ感染者数が少ないことに着目したのでしょうけれど・・・・

しかし、まだ何の論証もありません。

日本ワクチン学会もＢＣＧワクチンがコロナウィルスに効果があるという

証拠はまだ出されていないとしております。

大切なのは

「ＢＣＧは生まれてくる赤ちゃんの数だけしか製造されておらず、それ以上に

うちたい方の分まではない」ということです。

世間での不確定な情報で翻弄されて、ワラにもすがる思いで「ＢＣＧ接種」を希望される

大人の方や１歳以上のお子さんもおられるかもしれませんが、今の状況では接種すべき

赤ちゃんが犠牲になりかねません。

当院でもそうしたことを踏まえて適正にＢＣＧ接種を供給していく次第であります。