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睡眠時無呼吸外来

Sleep Apnea

xxxx|たけしファミリークリニック|北習志野・習志野台の内科・小児科・皮膚科・アレルギー科

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸と診断をしています。
この病気が深刻なのは、寝ている間に生じる無呼吸が、起きているときの私たちの活動に様々なリスクを生じさせる可能性があることです。
寝ている間の無呼吸になかなか気付くことができませんので、治療には至らない人を含めると日本には300万人以上の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者がいると推計されています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)はとても身近な疾患です。下記では睡眠時無呼吸症候群(SAS)について詳しくご案内いたします。

無呼吸を放置すると

居眠り運転が5倍に

睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって生じる日中の眠気は、判断力・集中力や作業効率の低下を招きかねません。また眠気ばかりか、睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって日中に居眠りも増加します。
「運転中の眠気」の経験割合は、非SAS患者と比較してSAS患者で4倍(40.9%)、「居眠り運転」ではなんと5倍(28.2%)という調査結果が示されています。

脳卒中の発生リスクが3.3倍

脳卒中「脳の血管が出血(脳出血)したり、詰まったり(脳梗塞)する病変」は、日本人において癌・心臓病に次ぐ3番目の死亡原因ですが、死に至らない場合でも、後遺症として麻痺や言語障害が生じる病気です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症者は脳卒中の発症リスク(健常者の3.3倍)が高いことが報告されています。

高血圧の発生リスク

日本高血圧学会の診療ガイドラインでは睡眠時無呼吸症候群(SAS)が二次性高血圧の原因疾患の1つに位置付けられています。
無呼吸状態から呼吸が再開するとき、身体は寝ている状態でも脳は起きた状態になります(覚醒反応)。同時に、睡眠が一時中断状態になり、交感神経が亢進することで血圧が上昇します。本来、寝ている間は副交感神経が優位ですが、閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSAS)はこうした無呼吸・呼吸再開のパターンを繰り返すために交感神経が活性化され、血圧変動が持続してしまうのです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって生じている高血圧の場合、適切にSASを治療すれば高血圧の改善も望めます。

糖尿病の発生リスク

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が糖尿病を誘発するメカニズムは明確には解明されていませんが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度を増すごとに、糖尿病を合併する割合が上昇していくとされています。
原因は、「間欠的低酸素血症(低酸素状態と正常な酸素状態が交互に繰り返される現象)」と、無呼吸状態から呼吸が再開するときの「覚醒反応(脳が覚醒した状態)」が糖代謝の異常と関連すると推測されています。

不整脈の発生リスク

不整脈の一種である「心房細動」は、「心房」という心臓を構成する部分が異常な電気刺激を受け、十分に収縮できない状態になる心疾患です。
夜間の心房細動の発症リスクについて、重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、SASでない場合に比べて4倍以上であったという報告があります。

どういう症状がでるのか

本来、睡眠は日中活動した脳と身体を十分に休息させるためのものです。睡眠時無呼吸症候群(SAS)で睡眠中に呼吸停止が繰り返されることで、身体の中の酸素が減っていきます。すると、その酸素不足を補おうと、身体は心拍数を上げます。脳も身体も断続的に覚醒した状態になってしまいます。そして、寝ている本人は気付いていなくても、寝ている間中、脳や身体には大きな負担がかかり、もはや休息どころではありません。
その結果、強い眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされ、日中の様々な活動に影響が生じ、下記のような症状が出現します。

寝ている間
  • いびきをかく
  • いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかきはじめる
  • 呼吸が止まる
  • 呼吸が乱れ、息苦しさを感じる
  • むせる
  • 何度も目が覚める(お手洗に起きる)
  • 寝汗をかく
起きたとき
  • 口が渇いている
  • 頭が痛い、ズキズキする
  • 熟睡感がない
  • すっきり起きられない
  • 身体が重いと感じる
起きているとき
  • 強い眠気がある
  • だるさ、倦怠感がある
  • 集中力が続かない
  • いつも疲労感がある

(1)睡眠時無呼吸症候群リスクチェック

睡眠時無呼吸症候群リスクチェック

1つでも「はい」があった場合には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来の受診をお勧めします。

睡眠時無呼吸の検査費用

簡易携帯検査

簡易携帯検査

3割負担の方で大体3,000円~3,600円くらいです。

終夜睡眠ポリグラフ(PSG)

終夜睡眠ポリグラフ(PSG)

入院して行う検査ですので病院によって費用が変わりますが、1泊2日で大体35,000円~50,000円くらいです。簡易携帯検査に比べて金額がかなり高いのですが、入院費用に加えて血圧や糖尿病、不整脈などの検査も同時に行うのでどうしても費用がかかります。

CPAP機器をレンタルする場合の費用(一般的なパターン)

CPAP治療に必要な費用は毎月の診察代と機器のレンタル料関係で、おおよそ3割負担で5,000円程度です。この金額には保守メンテナンスの費用はもちろん、使用状況(空気の流量、SASの経過、マスクの増着状況など)のデータ解析をして医師にフィードバックする機能も含まれています。正しく使われているか、SASの病状は改善しているかが解析を通じて把握できるという点も大きなメリット。
SASは基本的には完治させる治療法ではありませんので、治療中はずっとこの金額がかかることになります。

よくある質問

睡眠時無呼吸症候群は予防できますか?
喉が細い、舌や扁桃が大きいなどの身体の特徴によって睡眠時無呼吸症候群を発症する場合は予防することは困難です。このような場合は、小さいお子さんのうちから発症している可能性があります。ただし、後天的に30代あたりの基礎代謝が落ちてくる時に発症する睡眠時無呼吸症候群については、生活習慣に気をつけることで発症を予防することができます。具体的には、禁煙・睡眠4時間前以降の飲酒を控える・定期的な運動などです。これらは生活習慣病の予防にもなるので、是非実践していただければと存じます。
睡眠時無呼吸症候群は肥満ではない人でもなりますか?
睡眠時無呼吸症候群は閉塞性睡眠時無呼吸と中枢性睡眠時無呼吸にわけられます。閉塞性睡眠時無呼吸は肥満以外にも首が短い・太い人、扁桃肥大のある人や下顎が小さい小顎症でも認められます。特に日本人は欧米人に比べると下顎が小さいなど骨格の影響で肥満でない患者さんも多いと言われており注意が必要です。
中枢性睡眠時無呼吸は、脳卒中や心不全などの基礎疾患を有する患者さんで起こりやすく、肥満ではない人でも注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は薬で治りますか?
鼻づまりや喉の炎症など、気道を狭くする症状を薬で一時的に良くすることはできますが、睡眠時無呼吸症候群を薬で治すことは困難です。患者さんの症状によって治療方法は異なりますが、生活習慣の改善や手術、CPAP療法などで症状の改善を図る必要があります。
睡眠時無呼吸症候群は遺伝する病気ですか?
睡眠時無呼吸症候群自体は遺伝しませんが、肥満の体格や、顔面の骨格上、顎が小さい方が気道が閉塞しやすいため、体型が親子で同じ場合、睡眠障害に罹る場合はあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は子どもでもなりますか?
子どもでもなります。
扁桃肥大やアデノイド、アレルギー性鼻炎など耳鼻咽喉科に関係する病気が原因になっていることが多くみられます。成長期である小児のSASを未治療のまま放置すると、成長ホルモンの低下や昼間の眠気・集中力低下による学力低下、性格変化などにもつながると言われています。子どもは自ら症状を訴えないことも多いため、周りの大人が症状に注意することが重要です。
CPAP療法は一生続けていかないといけないのでしょうか?
CPAP療法は保存療法ですので、単体で病気が治癒するものではありません。
そのため、CPAP療法だけを行うのであれば、ずっと使用しなければなりませんが、同時に生活習慣の改善も行っていただくことで、治癒を目指すことが可能です。

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