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物忘れ外来

Forgetfulness

物忘れ外来|たけしファミリークリニック|北習志野・習志野台の内科・小児科・皮膚科・アレルギー科

物忘れ外来

物忘れ外来とは、老化に伴う正常な「物忘れ」と「認知症」を区別し、認知症を早期発見・治療するための外来です。

このような症状の方、またはご家族でこのような症状がある方がいらっしゃる場合はご相談ください

  • 食事をした事実を忘れる
  • 買い物に出かけ、途中で外出理由を忘れる
  • 同じことを何度も繰り返し言う
  • 以前はできていた当たり前のことができなくなる
  • 感情の起伏が激しくなる
  • 作業を完遂できない、やりかけのまま忘れてしまう
  • 外出しても自力で帰宅できない
  • 部屋を片付けられなくなる
  • 日付や季節がわからなくなる
  • 自宅にいるのに「帰りたい」と訴える
  • 物を盗られたと訴える
  • 物の置き忘れが増え、探し物がみつからない

認知症は進行性の病気です。できる限り初期の段階で病気を発見することは、治療においてとても重要となります。

物忘れ外来って?~認知症かもと思ったら~

認知症のイラスト

加齢とともに身体機能が衰えるのと同じく、認知機能も徐々に衰えていくのはよくあることです。その異変で「認知症かも?」「でもどこで検査してもらえばいいかわからない」と戸惑う高齢者やご家族は少なくありません。そんなときのために知っておきたいのが「物忘れ外来」の存在です。

物忘れと認知症との違い

高齢になってから物忘れが増えると、「認知症ではないか」と心配されるケースが多いですが、「加齢に伴う物忘れ」と「認知症」は違うもので、前者の「加齢に伴う物忘れ」は基本的には心配する必要のない自然現象です。
両者は、以下のように見られる症状が違います。

加齢に伴う自然な
物忘れの特徴
  • 朝食を食べたことは覚えていても、何を食べたか覚えていない
  • 俳優など有名人の名前がすんなり出てこないが、ヒントを出せば思い出せる
認知症による
物忘れの特徴
  • 自分が最近経験したことや体験そのものを忘れる
  • 朝食を食べたこと自体を覚えていない(記憶から抜け落ちている)
  • 身近な人の名前を聞いても思い出せない
  • 上記のような物忘れにより、日常生活に支障をきたす

両者の見分けについては本人はもちろんご家族でも難しいため、専門医のもとできちんと検査を受ける必要があります。また、物忘れは認知症レベルまでには認知機能が低下していない「軽度認知障害(MCI)」から起きることもあります。軽度認知障害はその後認知症に移行することもあるので、早期発見が重要です。
そういった際に適した受診先となるのが「物忘れ外来」です。

物忘れ外来での検査について

物忘れ外来では、認知症か物忘れかを判別するために、次のような検査を行います。

1

問診

いつ頃からどのような行動に違和感を覚えたのか、現在困っていることは何か、これまでかかったことのある病歴や現在の健康状態などを尋ねます。

頭にケガをしたことがある方は、そのときの外傷が認知症を引き起こしている可能性があるので、転倒などで頭をぶつけたことがないか確認します。

2

簡易認知症検査(MMSE)

知的機能や認知機能、記憶力、実行機能を確認するため、簡単な質問(「今日は何月何日ですか?」と尋ねたり、簡単な計算問題をする)を投げかけて、脳の働きをチェックします。

3

脳画像検査

MRIやCTなどの画像検査を実施して、脳の海馬の萎縮や、脳出血・脳梗塞などの脳血管障がいの有無を調べたり、脳の血流量を調べたりします。

4

血液検査

認知症か物忘れか、それともうつ病、甲状腺疾患、感染症などを鑑別するため、血液検査などを実施することがあります。

物忘れ外来にかかる費用

基本的に医療保険の適用になる検査が多く、費用は検査数や種類によって大きく変わります。

例えば、3割負担の場合

  • 問診と神経心理検査のみ:1,000円程度
  • 血液検査:3,000円程度
  • CT検査のみ:5,000円程度
  • MRI:5,000円~10,000円程度

となる場合が多いです。

認知症の種類と特徴

数ある認知症の種類のうち、主なものは「4大認知症」と呼ばれ、アルツハイマー型・血管性・レビー小体型・前頭側頭型を指します。
認知症は病気ではなく、症状や状態の総称です。脳の疾患や障害により認知機能が低下し、日常生活に支障をきたすほどの症状を意味します。持続的な認知機能の低下や日常生活に支障が出るほどの認知機能の低下が見られたとき、認知症と判断されます。

認知症の種類

認知症の種類ごとの発症割合

認知症のなかで最も多いのがアルツハイマー型です。
症状全体の約60%はアルツハイマー型認知症が原因で、約20%は脳血管性認知症によるものとされています。なお、前頭側頭型は、症状全体に占める割合としては少ないですが、認知症のなかで唯一、難病指定されています。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症になる原因は、脳の中にアミロイドβなどの不要なたんぱく質が溜まってしまうことです。そのことにより、神経細胞が変性し、死滅します。そのうち脳の海馬や頭頂葉などが萎縮して、認知症の症状が出てくるようになります。

健康な人のMRI

健康な人のMRI

アルツハイマー型認知症のMRI

アルツハイマー型認知症のMRI

MRIで、海馬が縮んでいるのがわかります

アルツハイマー型認知症の代表的な症状は「物忘れ」ですが、加齢による物忘れと間違えられやすく、初期症状を見逃す恐れがあります。しかし、アルツハイマー型認知症は、初期段階で治療を開始することで、その進行スピードを遅らせることができます。認知症による物忘れの特徴である「自分が最近経験や体験したことそのものを忘れてしまう」ということが続くようであれば、早めに相談しましょう。
また、アルツハイマー型認知症になると、同じ話を何度もしたり、物の名前が一致しなかったりと、同居している家族はストレスを感じることがあるかもしれませんが、何事も否定せず、本人が過ごしやすい環境を整えてあげることも大切です。

血管性認知症

血管性認知症

血管性認知症は、脳梗塞や脳卒中、くも膜下出血など、脳の疾患が原因で発症します。
脳の認知機能を司る部分(前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、海馬など)などで血管が詰まり、十分に酸素や栄養を送れなくなることで細胞が死滅。本来の役割を担えなくなり、血管性認知症を発症します。

血管性認知症の主な症状は、「記憶障害」や「判断力障害」などです。一日のうちでも症状に波があり、認知機能はまだらに低下していきます。感情のコントロールが効かなくなるのも多くのケースでみられる特徴です。
また血管性認知症では、損傷した脳の部位によって出現する症状は変わります。男性の患者が多く、症状は段階的に早く進行します。
脳の血管が詰まる原因は高血圧や糖尿病、肥満などですから、血管性認知症を避けるためにも日頃の生活習慣を見直すことが大切です。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症

レビー小体とは、脳の神経細胞にできる特殊なたんぱく質のことで、レビー小体がたくさん集まる場所では神経細胞が破壊され、命令がうまく伝達されなくなります。特に、後頭葉と呼ばれる視覚を司る部位にレビー小体が集中して発症すると幻視の症状が出ます。

レビー小体型認知症の主な症状は、初期段階では、物忘れよりも現実にはないものが見えてしまう「幻視」を見ることのほうが多く、男性の発症率が高いです。
また、自分を子どもだと思い込んだり、定年して何年も経つのにまだ働いていると思ったりする「誤認妄想」も多くみられます。
そのほか、手足が震えてうまく動けなくなる「パーキンソン症状」や、寝ているときに大声を出すなどの睡眠障害を発症するケースもあります。
幻視の症状があらわれたときは否定せず、話を合わせてあげましょう。「そんなことない」と頭ごなしに否定すると、頭の中が混乱し、症状を悪化させる原因にもなってしまいます。

前頭側頭型認知症(FTD)

前頭側頭型認知症(FTD)

脳の約4割を占める前頭葉と側頭葉が萎縮し、血液の流れが滞ることで発症するのが前頭側頭型認知症です。
なお、前頭側頭型認知症は、認知症のなかで唯一、難病指定を受けています。

前頭側頭型認知症の初期段階では、認知症の一般的な症状である物忘れよりも、性格の変化や異常行動が目立ちます。
前頭側頭型認知症の進行は大きく「初期」「中期」「後期」の3つの段階に分かれます。
初期段階は感情の麻痺が激しく、ぼんやりしている時間が増えたり、他人への興味がなくなったりします。身だしなみにこだわりがなくなり、同じ言動を繰り返すこともあります。
このように、人格の変化や異常行動が現れるため、精神疾患と間違われることがあります。
また、罪悪感がなくなることから、万引きを起こしてしまうケースがみられる場合もあるので注意しましょう。中期では同じ行動を繰り返す「常同行動」がみられ、後期には精神状態が不安定となり、食べることや部屋から出ることが少なくなる場合も多いようです。
進行はゆっくりで年単位で進みますが、体が動かなくなり、寝たきりになる可能性があります。
一般的に認知症=アルツハイマーと認識される方が多いですが、それぞれ症状や適切なケアに違いがあります。認知症の種類を把握して適切な対応を行うことが大切です。

認知症の治療方法

現在の認知症治療は、薬物療法と非薬物療法が並行して行われています。
現在の薬物療法では症状の根治はできませんが、認知症の進行を遅らせることや認知症に付随する精神的な病状を和らげることを目的に薬を使用します。
一方、非薬物治療は薬を使わずに、脳を活性化させるような簡単な運動やストレッチ、回想法、音楽療法や芸術療法、ペット療法などで症状にアプローチします。
非薬物療法は、脳を活性化させたり精神を安定したりする効果があり、本人の残存能力や機能を活かした療法が可能です。

薬物治療

薬を用いて認知症の進行を抑制する治療法になります。
日本で使用されている認知機能の改善薬には、以下のようなものがあります。

認知機能の改善薬

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の方の脳内では、「アセチルコリン」という神経伝達物質が少なくなっています。アセチルコリンが分解されて減少すると、脳のネットワークがうまく働かなくなり、認知機能が低下します。
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、そのアセチルコリンの分解を抑える働きを持つ薬です。脳内のアセチルコリンの分解を防ぎ、脳の働きを活発にする効果が期待できます。
副作用としては、下痢や吐き気、食欲不振、ふらつきなどの歩行障害があります。
攻撃性の増加、暴言や暴力などの症状が現れることもあるので注意が必要です。

NMDA受容体拮抗剤

NMDA受容体拮抗剤は、興奮性の神経伝達物質である「グルタミン酸」の作用を弱め、過剰な脳の興奮を抑えることができる薬です。過剰に興奮することで受ける脳神経へのダメージを抑えることで、認知症の進行を抑制することに寄与します。
比較的進行している認知症の方にも処方されるほか、暴言や暴力などの攻撃的な周辺症状への効果も期待されます。副作用としては、主に眠気やめまいが挙げられます。

周辺症状に処方される薬

興奮や抑うつ、妄想といった周辺症状に対して薬物療法を行うことで、症状の抑制や改善が期待できます。薬を服用しても完治はなかなか期待できませんが、本人の状態が落ち着くことによって、介護者など周囲の人が感じる負担を大きく軽減することができます。
実際に用いられる薬としては、睡眠薬(睡眠導入剤)や抑肝散(よくかんさん)などの漢方薬、向精神薬、抗不安薬などが挙げられます。

非薬物療法

非薬物療法は、薬物療法と同様、認知症を完全に治せる療法ではありません。
しかし、認知症の方の生活の質を高めるという点では、薬物療法よりも有効であることもあります。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といった専門家の指導のもとで行います。専門家の判断を仰ぎながら、簡単にできるものを自宅でも行うと効果的です。
代表的なものを以下紹介します。

非薬物療法

1.運動療法

散歩やラジオ体操、ストレッチなど、体を動かすことで脳の活性化や筋力の維持、睡眠の質の向上が期待できます。
介護施設によっては、理学療法士による指導のもと、運動療法が行われていることも多くあり、専門のマシンを使用するところもあります。
そのほか、レクリエーションで楽しく体を動かすのも運動療法の1つです。

2.回想法

回想法とは、自分の思い出を人に話すことで脳に刺激を与えると同時に、精神的な安定を図り認知症の進行を遅らせる療法です。認知症を発症すると、直前の出来事を記憶することは難しくなりますが、自分の若い頃などの過去の記憶は明確に思い出せることがあります。また、過去に自分が経験してきたことを自分よりも若い人たちに伝えることにより、自尊心を得ることにもつながります。その結果、日々に活気が出るようになっていき、認知症の症状の抑制や改善の効果が期待できます。

3.音楽療法

過去に流行した歌の歌詞や楽曲を聴くことは、当時の出来事を思い出すことにもつながり、脳に刺激を与えることができます。
また、認知症になると環境から受ける五感の刺激をきちんと処理できず、周囲の状況をきちんと把握できずに不安を感じることも多いです。しかし、自分の好きな曲や心地良い曲を聴いているうちに不安が解消され、精神的な落ち着きを取り戻すこともあります。

4.園芸療法

草花や野菜などの園芸を通して、心身の回復を図る療法です。五感を刺激することはもちろん、植物を育てることは、時間や季節の感覚が薄れてしまう見当識障害にも有用といわれています。

5.アニマル(ペット)療法

動物と触れ合うことで、感情豊かになってもらうという療法です。動物に触れることで、表情が豊かになり、コミュニケーションの機会が増える効果を期待できます。
また認知症によって積極性が失われてしまうケースがあります。ペットを可愛がることで、自発性が芽生え、加えて癒し効果もあり、リラックスできます。

6.認知機能
リハビリテーション

ゲームやパズル、言葉遊び、間違い探しなどは楽しみながら認知機能を改善する方法です。また、計算問題や漢字の読み書き、あるいは音読は脳に刺激を与えます。前頭葉機能の改善により、注意・集中機能の改善が期待できます。

7.生活リハビリテーション

人は普段の生活において思考をしているため、洗濯や料理、掃除などをすることで認知機能の改善が期待できます。また、料理や洗濯などの日常生活で必要な動作を行うことで、身体の機能を回復させていきます。

公的介護保険制度

認知症になり、介護が必要な状態になった場合、公的介護保険の介護サービスを利用することが可能です。
介護サービスの利用は、原則として第1号被保険者(65歳以上の方)のみですが、第2号被保険者(40歳~64歳)の場合は、16種類の特定疾病が原因で介護が必要になった場合のみ介護サービスが利用可能となり、認知症は特定疾病のうちの「初老期における認知症」に該当します。ただし、介護サービスの利用にあたっては、居住地の自治体で要介護認定を受けなければなりません。認定が下りると、認定された要介護度に応じて介護サービスを受けられます。
公的介護保険の介護サービスを利用する際は、サービス費用の一部が自己負担になります。自己負担割合は所得や世帯人数に応じて異なり、40歳~64歳以下の人および一般所得層の65歳以上の人は1割負担、65歳以上で一定以上の所得がある人は2割負担、65歳以上で現役並みの所得者は3割負担となります。

*「インターネット受付」「お電話でのご予約」は、予約の人数が上限に達した場合は、予約を終了することがございますが、ご了承ください。

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