1.寝る前の水分制限
寝る前に水分を取りすぎることも夜尿につながります。でも制限しすぎることもよくないので日中や朝食、昼食ではしっかりとってください。夕食後から就寝時までの2時間はできるだけ水分摂取を控えてください。もし喉が渇いたら小さなコップ1杯程度の水分に控えていただけると夜尿の回数も減ります。
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夜尿症
Enuresis
夜尿症とは
夜尿とは、睡眠中に自分で意図せずに尿を漏らしてしまう現象です。
夜尿症はその中で、「5歳以降で1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続くもの」とされています。
就学前のお子様の20%、小学校低学年で10%、10歳を超えても5%前後の児童にみられ、中学生では1-3%に認められるとされています。非常に稀ですが、成人になっても夜尿をしてしまう方もいらっしゃいます。
夜尿の存在は、肉体的にも精神的にも子どもの生活の質を下げると言われており、子どもへの精神的負荷はいじめ以上だとも言われています。それによる自尊心の低下から、不登校、学力低下、無気力といった状況を引き起こすこともあります。
夜尿を積極的に治療する事で、1年後の治癒率を3倍程度まで高めることができるので、積極的に夜尿と向き合うことで、お子様の豊かな成長の助けになることができればと考えています。
検査
検査は、まずは問診と尿検査。その後腎臓・膀胱の形態を調べる目的で腹部エコーを行います。血液検査や、CT・MRIなどはその検査結果に併せて検討させていただいております。
治療
夜尿症の治療としてはまず生活指導や行動療法を開始し、効果が乏しい場合には抗利尿ホルモン剤投薬または夜尿アラーム療法を追加します。生活指導及び行動療法としては就寝前にトイレに行くことや夜間の水分摂取の制限などがあります。行動療法はもちろんですが、主に薬物療法とアラーム療法で行います。
薬物療法しては夜間尿量を減少させる目的で抗利尿ホルモン剤を就眠前に服用します。舌下投与で容易に溶ける口腔内崩壊錠ですので水なしでも容易に服薬できますが、アラーム療法は濡れたら鳴るアラーム(ブザー)で患者を夜尿直後に起こす治療で、自分で起きない場合は家族の協力が必要となります。この治療がなぜ夜尿に有効かはわかっていませんが、多くの場合は朝まで夜尿をせずに持つようになり、睡眠時の膀胱容量が増加すると考えられています。
ほとんどの患者は成人するまでに治癒しますが、15歳以上で1-2%の頻度で夜尿が持続すると報告されています。特に毎晩夜尿をする場合など重症例は治りにくいため、早めの受診をお勧めします。
夜尿症学会では「ひと月に一回、夜尿があり、それが三ヶ月続く場合」を夜尿症と定義しており、治療を開始すべきとしています。少し厳しすぎる定義かとも思いますが私は週に一回以上夜尿がある場合には夜尿症外来を受診するのが良いと思っております。
受診の年齢は6歳(小学1年生)以上が良いと思います。夜尿症の治療は早く始める程、早く治ります。
10歳過ぎて治療を始めた場合は、それ以前に治療を始めた場合に比べて、治療の効果が表れるまでに時間がかかるという研究データがあります。夜尿症の頻度は年齢が上がるにつれて低くなっていきますが、10歳でも5%、つまり20人に1人(40人のクラスに2人)の夜尿症の子供がいると言われております。
たけしファミリークリニックでは5つのアドバイスをいたします。
寝る前に水分を取りすぎることも夜尿につながります。でも制限しすぎることもよくないので日中や朝食、昼食ではしっかりとってください。夕食後から就寝時までの2時間はできるだけ水分摂取を控えてください。もし喉が渇いたら小さなコップ1杯程度の水分に控えていただけると夜尿の回数も減ります。
塩分の取りすぎは喉の渇きから水分を取りすぎ夜尿の原因になることもあります。
水分を取らなくても塩分の取りすぎは夜尿の原因になるので注意してください。
便秘と夜尿は一見関係ない様に思えますが、便秘の状態が続くと便が腸に大量にあるため、膀胱を圧迫し夜尿の原因になります。普段から規則正しい食生活を行うこと、食物繊維の多い食品(野菜、果物、豆類、芋類)などを食べることを心がけてください。
また既に便秘があるお子さんはそちらの治療も並行して行うことで夜尿症がよくなるお子さんもいらっしゃいます。
布団に入って30分から1時間経過してもなかなか寝付けない日はもう一度就寝前にトイレに行きましょう。
夜中に無理やり起こして排尿させても夜尿症の治療には全く効果がないどころか逆に悪影響という話もあります。例外として宿泊行事などの際にどうしてもおねしょをしたくない場合はその時だけ起こすということは問題はありません。
*「インターネット受付」「お電話でのご予約」は、予約の人数が上限に達した場合は、予約を終了することがございますが、ご了承ください。
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